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麻布山善福寺の歴史と見どころは?偉人が訪れた寺院の魅力

東京・港区の麻布十番駅から徒歩圏内に位置する「麻布山善福寺」は、長い歴史を持つ由緒ある寺院です。824年、弘法大師によって開山され、時を経て浄土真宗へ改宗。偉人たちが訪れたことで知られるこの寺院は、歴史的価値の高い文化財や自然の美しさが詰まった、静謐な空間です。今回は、麻布山善福寺の歴史と見どころを解説します。

麻布山善福寺の最も注目すべき歴史的要素は、開山から改宗までの道のりです。元々、真言宗の寺院として創設された善福寺ですが、鎌倉時代に親鸞聖人が訪れた際、僧侶たちがその教えに深く感銘を受け、浄土真宗に改宗しました。改宗後は浄土真宗本願寺派の寺院としてその歩みを続け、関東における信仰の拠点となります。親鸞聖人が手にした杖を境内に立てたことで生まれたと伝わる「逆さ銀杏」や、歴史的な文化財が今も寺院内に保存されています。

善福寺の境内に入ると、まず目を引くのが本堂です。現在の本堂は、1606年に徳川家康が建立したもので、もともとは京都の「東本願寺八尾別院本堂」として使用されていました。戦後、空襲によって元の本堂が焼失した後、移築され再建されたものです。その歴史的価値が評価され、2009年には港区の有形文化財に指定されました。堂内は厳粛な雰囲気が漂い、静けさの中に重厚な歴史の息吹を感じることができる空間です。

また、麻布山善福寺の境内には、天然記念物に指定されている「逆さ銀杏」があります。この銀杏の木は、樹齢750年以上と言われ、幹が地面に突き刺さっているかのように逆さまに生えているように見える独特な形状が特徴です。江戸時代のガイドブック『江戸名所図鑑』にも登場しており、観光名所としても親しまれています。この木は、親鸞聖人が手にしていた杖を境内に立てた際に生えてきたという伝承があり、歴史と信仰が深く結びついた象徴的な存在です。

善福寺はまた、日米の歴史的な友好の証としても知られています。1859年に日米修好通商条約が締結され、麻布山善福寺はその後アメリカ大使館として使用されました。当時、初代駐日公使タウンゼント・ハリスがこの地に駐在し、福沢諭吉などの日本の偉人たちも訪れています。現在、境内にはアメリカ大使館として使用されていたことを示す記念碑が立ち、日米友好の歴史が刻まれています。この記念碑を通じて、当時の国際的な交流の一端を垣間見ることができます。

麻布山善福寺には、その他にも貴重な文化財が数多く残されています。例えば、「了海上人の木像」は、国の重要文化財に指定されています。了海上人は、親鸞聖人に感銘を受けて善福寺を浄土真宗へ改宗させた人物で、彼の存在は関東における浄土真宗の普及に大きく貢献しました。また、織田信長や豊臣秀吉といった戦国時代の武将たちとの関わりを示す歴史的な品々も所蔵されており、寺院の歴史を彩る多くの宝物がここに眠っています。

麻布山善福寺は、東京都内にありながら、静けさと深い歴史に包まれた場所です。歴史的価値のある建造物や文化財、自然の中で育まれた伝説を通して、訪れる人々に静謐なひとときを提供しています。現代の喧騒から離れ、歴史に思いを馳せながらこの場所を散策してみてはいかがでしょうか。きっと、日常から解き放たれた時間を感じることができるでしょう。

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